衝動に任せて生きてる

フレフワン グレイシア
フレフワン♂、グレイシア♀
ツイッターでお題頂いて練りました、即席っ子達。フレフワン結構気に入ってるから、ちょっと設定練ろうかしら……
あんまり孵化してないし、最近既存っ子でもちゃもちゃしてるっていうのもあるんですけど。あんまりカロスポケ擬人化してないんですよね。
ヒトツキとかメレシーとか、可愛いんだけどなぁ。ガチゴラスとか強面可愛いんだけどなぁ……
ここ数年は孵化始めた影響もあって実デある子が増えてきましたけど、あんまり気にしないで描くだけ描いてってみようかな。孵化は相当縛りきつくなるけど、後からでもできなくはないし。ドMにも程がある!
1回、図鑑の順番に擬人化していく~とか、1種類のポケモンで性格コンプするっていうのとかもやってみたいです。なんか色々描きたい気持ち。


さて、追記に文章詰めておきますね。
かと氏宅の影踏さんをお借りしています。他の捕獲組の方々も!ちょっとだけだけどいるよ!
おっそろしいくらいにお子さんが動かし易くて、文章の上手い下手とかキャラが違う違わないはさておき、書いてて凄く楽しかったです!調子乗った!
誤字脱字表記揺れは多分あると思いますが、そこは広い心でスルーお願いしま、す……
書かせて頂きまして、有難う御座いました!



この辺りには、吸血鬼が住んでいる。
そいつは若く美しい娘の姿をしていて、その美貌に誘われた男を捕まえては、全身の血を吸い尽くしてしまうそうだ。
困ったことにこの吸血鬼は、十字架やニンニクといった類いのものは効果が無いらしい。
ただ、弱点がひとつだけあって……


******


「なっ、何でござるか!その弱点とは一体っ!!?」
「はてさて、あっしもそこまでは知りませんねぇ」
「影踏殿ぉぉぉ!!!??」
「……またこのパターンか」
なんだか見覚えのある光景に、北斗が呆れた顔を向ける。
一体どこから仕入れたのか、影踏は噂話を披露して峰打をからかうのが楽しいらしい。最も、その噂も信憑性に欠けるのだが。
「その吸血鬼も、この前の『誰か』みたいなものじゃないのか?」
「さぁ、どうでしょう。……ラッシュの旦那は、何か御存知で?」
影踏の言葉に、北斗が反射的に後ろを振り向いた。
察しの通り、そこにはいつの間に来ていたのやら。当然のような顔でラッシュが立っている。
「お前、いつの間に!?」
「さっきから居たけど。気付かないとか、北斗ちゃんってばオレが居るのにも慣れてきたんじゃね?うっわ、照れる~」
「変な!ことを!言うな!!!」
嬉しそうなラッシュの頬を抓り上げ、北斗は一言ずつ強調するように言う。
「北斗殿とラッシュ殿は、仲が良いでござるなぁ」
「あんまり見せ付けねぇでくだせぇよ。独り身には辛いんでさぁ」
「お前らもふざけるな!」
生暖かい峰打と影踏の視線までぶつけられ、北斗の苛立ちは更に増したようだ。
ラッシュを抓る手を離すと、強い口調で問い掛ける。
「話を戻すぞ。お前、その吸血鬼とやらの知り合いはいるのか?」
「うーん、いや、いねぇな」
「そうか。質問に答えたのなら、もう用は無い。帰れ」
ぐい、とラッシュの腕を引っ張り、北斗は外へと出ていく。きっと二人はそのままバトルを開始するはずだ、しばらく戻ってこないだろう。
あとに残された峰打と影踏は、どうしたものかと顔を見合わせる。
「吸血鬼は、ラッシュ殿とは無関係なようでござるな」
「もしかして、本物なんですかねぇ?」
「ほほほ、本物!!?それは、流石に危ないでござるよ!!?」
大慌ての峰打に対し、影踏は涼しげな態度を崩さない。
仮面の下でにやりと笑い、小さく呟いた。
「もしそうなら、そいつは一度お目にかかりたいもんだ」


******


吸血鬼が出るのは、町外れの森の中だという噂だ。
さくさくと足音を立てながら、影踏はその森の中をさ迷う。既に日は沈んでしまったが、この程度の闇ならば動き回るのに支障はない。
「さぁて、吸血鬼の……お嬢さんでしたっけ?運が良けりゃあ逢えますかねぇ」
特別に怪談が好きだとか、そういったわけではないが。好奇心は人並み以上のつもりだ。
『誰か』の時のように、今回もまた意外な原因があるのかもしれない。それを解き明かすのもまた一興である。
しばらくふらふらと歩き回っていると、ふと視界の隅に動く人影を捉えた。


「おやおやぁ、お出ましになったようで」
気配を探りつつ身構えるが、人影が寄ってくる様子はない。
じりじりと距離を詰めると、向こうは同じだけ距離を開けてくる。様子を窺っているのだろうか?
膠着状態が続くが、このままでは埒が明かない。
「さて、困ったもんですねぇ。ここはひとつ、賭けに出てみますかぃ」
はたして、相手が噂の吸血鬼なのか。一体どのような姿をしているのか。まるで分からないが、何もせずにこのままでいるよりはマシだろう。
意を決して、影踏は人影の方へと駈け出した。
それに気付いた人影は、びくりと大きく震えると、一目散に逃げ出していく。
「おや……逃げるんですかぃ?」
噂に聞いていた吸血鬼のイメージだと、「獲物が飛び込んできた」と喜ぶところだと思うのだが。
少し引っ掛かるものがあるが、まぁ、あの人影を捕まえれば全て解決するだろう。随分と逃げ足は速いようだが……この距離なら大丈夫そうだ。
影踏は足元の影を蛇のように伸ばすと、逃げる人影に向かって勢いよく放った。向こうにとっては不運だろうが、足止めは影踏の得意分野である。
「っ……!」
ふらりと足がもつれ、人影がその場に崩れ落ちる。よし、捕らえた!
こうなってしまえば、あとはもう影踏の独壇場だ。悠々とした足取りで、影踏は人影へと近付いて行った。


「ほらほら~、無駄なあがきはしないでくだせぇ。……あっしからは逃げられませんぜ?」
崩れ落ちてなお抵抗を見せる人影にそう語り掛けながら、影踏は一歩一歩近付いて行く。
暗闇の中、段々とはっきりしていく輪郭に、仮面の下で少しだけ目を丸くした。
どうやらこの人影、吸血鬼の噂にもあったが、女性のようだ。裾の長いドレスに、顔を隠すように被ったベール。風に揺れる長い髪。ベール越しに見える瞳は、夜の闇よりも黒く透き通っている。
月明かりにぼんやりと浮かぶ姿は、成程、確かに見惚れざるを得ない美しさだ。
「へぇ……お嬢さんが、噂の吸血鬼で?」
問い掛けると、女性は震える声で答えた。
「ちが、います。私、吸血鬼なんかでは」
「おや、そうなんですかぃ?町の方では、森に吸血鬼がいると専らの噂」
「私は、そんなものではありません!」
今にも泣き出しそうな、掠れた叫びに影踏は思わず口を閉じる。
カタカタと小さく身を震わせる姿は、吸血鬼どころかただのか弱い一般女性にしか見えない。
「私は、何もしていません。お願いです、放してくださいっ……!」
「ちょっ、泣かねぇでくだせぇよ、お嬢さん」
恐怖に染まった顔で訴えられ、影踏は彼女を拘束している影を引っ込めた。流石にこれは、良心が痛む。
拘束が解けて自由になると、女性は驚いた顔で一瞬だけ影踏を見た。しかし、すぐに身を翻して深い闇の中に消えていく。
森の中に独り残された影踏は、誰にともなく呟いた。
「さて……帰り道は、どっちでしたかねぇ?」
とりあえず、今日のところは深追いせずに帰った方がよさそうだ。


******


翌日、まだ日も高い時間帯。影踏は記憶を頼りに女性と出逢った場所へと向かった。
昨夜ここに居たからといって、また遇えるかどうかは分からないが……
ふらふらと森の中を歩き回っていると、ふと気配を感じる。もしやと思いそっと様子を窺えば、いた。昨夜の彼女だ。
「おやおやぁ……案外、すぐに見付かるもんだ」
今度は脅かしてしまわないように、ゆっくりと近付いていく。明るいからと油断しているのだろうか?昨夜と違って、こちらに気付く様子はない。
「もし、そこのお嬢さん」
「きゃあっ!?」
影踏が声を掛けると、女性は小さく悲鳴を上げた。
「だ、誰っ……!?」
女性はきょろきょろと辺りを見回し、影踏を捜しているようだ。……勿論、影踏は目の前にいる。
少し不思議に思ってよく見てみると、どうやらこの女性は目を閉じているようだ。はて、昨夜はしっかりと黒い目を見た筈なのだが。
「お嬢さん、落ち着いてくだせぇ。別に、悪さをしようってんじゃありませんぜ」
できるだけ刺激しないように、影踏は優しい声で言う。
女性も少しだけ冷静さを取り戻したのか、今の声で影踏の位置を掴んだらしい。しっかりと前を向いて、問い掛けた。
「そ、の声……貴方、昨日の?」
「ええ。あっし、影踏と申しやす」
「ど、どうして此処に……!?この時間なら、誰にも遇わない筈なのに」
「おや、そいつぁー運が良い。少しばかり早く来すぎたかと心配してたんでさぁ」
吸血鬼といえば、日の光に弱いのが定説である。もし本当に彼女が吸血鬼ならば、まだ出歩ける時間では無いはずだ。
影踏は、戸惑う女性に深く頭を下げる。
「昨夜は失礼しやした。噂の吸血鬼が気になったもんでして。別に、お嬢さんを脅かすつもりは無かったんですがねぇ……」
「え……?」
「てっきり、お嬢さんが吸血鬼だと早とちりしちまいやした。お詫びいたしやす」
「あ……の。貴方……吸血鬼退治にいらしたのでは、ないのですか?」
「退治?まさか、んなこたぁ致しませんって。それとも、お嬢さんは本当に吸血鬼なんですかい?」
「ち、違います!」
「なら、退治する必要なんざありゃしません」
正直な事を言えば、噂がデマだったのは少しだけ残念だが。だからといって、この女性が吸血鬼だとも思えない。
きっと、誰かが適当に作って流した話だったのだろう。やはり怪談話の真相など、こんなものなのだろうか……
「さて、あっしはそろそろお暇しやす。お騒がせしやした」
噂の真相が判明したのならば、もう用は無い。
最後にもう一度だけ詫びを入れ、さて帰るかと影踏が足を踏み出した直後。
「あ、あの……」
か細い声に呼び止められた。
「あの、本当に、退治しにいらしたのではないのですね?」
念を押すように尋ねる女性に、少々訝しく思いながらも影踏は答える。
「へぇ、そうですが」
「捕まえたりですとか、情報を流したりとか、そういったことも?」
「しませんって」
「…………」
少し考え込んだ後、女性が閉じた目を影踏に向ける。
先程までのおどおどした雰囲気はどこへやら、今はゆったりと落ち着いた様子だ。
「あの、お嬢さん?それが如何かしたんですかぃ?」
「えっと……影踏様、でしたね。貴方にでしたら、吸血鬼の噂についてお話しても大丈夫かと思いまして。お時間、頂いてもよろしいですか?」
「時間はまぁ、大丈夫ですけどねぇ。しかしあの噂、デマじゃねぇんで?」
まさか、まだ何かあるのだろうか?
てっきりデマだとばかり思っていたところに、まさかの展開だ。影踏の興味も、これでもかという程にそそられる。
「デマ、といいますか……順を追ってお話させて頂きます。とりあえず……何処かに日陰はありませんか?そこでお話しましょう」
「日陰、ですか?それならほら、こちらにありますぜ」
日陰を要求され、影踏はいそいそと近くの木の傍へと女性を誘導するのだった。


「まず、自己紹介からさせて頂きますね。私、アズライトと申します」
木陰に腰を下ろし、女性――アズライトが語り始める。
「噂についてなのですが……あの噂に出てくる吸血鬼は、私のことです。でも、私は吸血鬼なんかではありません」
「えぇと、つまりはどういった事で?」
「私、種族柄もあるのかもしれませんが、生まれつき光に弱いのです。日光に当たる事自体は問題無いのですが、目だけがどうしても強い光を受け付けなくて」
言いながら、そっと目を指し示す。アズライトの両目は、木陰に入ってもなお固く閉ざされたままだ。
「日の光の下では、眩しすぎてものを見ることはおろか、目を開ける事すらできなくなってしまうのです。なので、できるだけ日の高い間は出歩かずに、目がよく見える夜間のみ外出をするようにしていました」
「……ははぁ、成程。見えてきましたぜ」
今の話で、ピンとくるものがあった。影踏は合点がいったという風に一人頷く。
「つまり、夜にしか出歩かないアズライト嬢を見て、誰かが吸血鬼だと勘違いした。……という事ですかぃ?」
「簡単に言ってしまえば、そうなりますね」
ふぅ、と溜め息を吐いて、アズライトは肩を下げる。
「この辺りの人々は、古い言い伝えや迷信を今でも信じていますから……私の姿を見て、吸血鬼が出たと思ったのでしょうね」
「そりゃあ、迷惑な話だ」
「私もゴルバットですから、吸血自体はできますよ?できますけれど、血を吸うのは好きではありませんし。噂のように、誰かを襲ったりだなんて、できるわけがありません」
確かに、このか細い腕で獲物が捕まるとも思えない。
夜中に女性が一人で森にいれば、驚くのは仕方がないかもしれないが。まさか吸血鬼呼ばわりするとは、随分な話である。
「アズライト嬢。余計なお世話かもしれやせんが、目さえ開かなければいいんでしょう?なら、今日みたいに昼間から出歩いたらどうですかい?」
ふと思い付いて影踏が提案すると、アズライトは悲しげに首を振る。
「私もそう思いました。ですが、一度吸血鬼だと思われてしまうともう駄目なようですね。昼間はどうしても動きが鈍るので、これ幸いと襲われてしまって」
「なんと!そいつぁーひでぇ話だ」
「夜も、どうにか逃げてはいるのですが、たまに吸血鬼退治と言って大勢の人が来ることがあって……。今日のように、前日に誰かと遇った時は時間をずらして外出するようにしているんです」
「ははぁ……そりゃあ、苦労なさったんですねぇ」
そんな事情がある中、わざわざ押し掛けて悪いことをしただろうか?
悪意が無かったとはいえ、アズライトの恐怖心をむやみやたらと煽ってしまったことだろう。この繊細な女性には、相当なショックだったに違いない。
「私だって、できることなら日の光の下を歩きたいです……。でも、何も見えない。私には、昼の世界なんて分からないのです!」
睫毛を震わせ、アズライトは涙を流す。
「このベールだって、気休めにしかなりません。私は影の中、闇の下でしか!何も見ることができないっ……!」
「ああ、泣かないでくだせぇよ!参ったな、女の涙にゃ敵いやしねぇ」
影踏は仮面の下で思案する。
脅かした罪滅ぼしというわけではないが、彼女に何かしてやれることはないだろうか?
しかし、今はまだ昼間。彼女が目を開けるのは深い闇、影の中だけ…………影の中?
「おっ!そうだそうだ、この手がありやした!」
ぽんっ、と影踏が手を叩く。
ほろほろと涙を流し続けるアズライトに、努めて明るい声で話し掛けた。
「アズライト嬢、ちょーっと動かないでいてくれやすか?」
「え……?」
「なぁに、騙されたと思って。大丈夫でさぁ、何も悪いことはいたしやせん」
「は、い……?」
戸惑うアズライトから少しだけ離れると、影踏は自身の影を大きく広げる。
そしてそのまま、アズライトを影で覆い尽くした。


「こんなもんですかねぇ……アズライト嬢、ちょっと目を開けてみて貰えますかぃ?」
「目、を?」
影踏の言葉に、アズライトは訳がわからないといった様子だ。
「影踏様?今お話しました通り、私は……」
「いいから、いいから!騙されたと思って、開けてご覧なせぇ」
「……信じて、よろしいのですか?」
手で庇いながら、おそるおそるアズライトが目を開く。
日の光への恐怖か、小さく震えている肩を影踏は勇気付けるようにそっと叩いた。
「……どうですかぃ?こんなもんで見えますかねぇ?」
「え……そんな、どうして……!?」
驚きの声を上げるアズライトに、影踏は満足げに頷く。
開いた目は、眩しさに眩むこともなく昼の世界を映していた。日の光を受けて緑色に輝く森の美しさに、アズライトは息を呑む。
「なん、で……?私、日の光なんて」
「あっし、影を操るのが得意でして。ちょいとアズライト嬢を影で覆って、目に入る光の量を調節してみたんでさぁ。ま、特別なサングラスみてぇなもんだと思ってくだせぇ」
「まさか、こんなこと……!ああ、夢みたいです。これが、昼の世界……!」
感極まった様子で、アズライトは辺りを見回す。
余程嬉しいのだろう。そっとベールを上げて、ぱちぱちと目を瞬かせている。頬は薔薇色に染まり、花が咲いたような笑顔を浮かべた。
「影踏様、有難う御座います。まさか私が、昼の世界を見ることができるだなんて……!」
「なぁに、大した事じゃあ御座いやせん。あっしには、これくらいしかできやしませんからねぇ」
「知り合ったばかりで、こんなに親切にしていただいて。それに、貴方は私が吸血鬼ではないと信じてもくださいました。本当に、本当に夢のよう……!」
子どもの様に無邪気に喜ぶ姿に、影踏も思わず仮面の下で目を細めた。
よかれと思ってやったことではあるが、予想以上の喜び具合にむずむずとした感覚が湧き上がってくる。
「私、今日の事はきっと……いえ、絶対に忘れません。この森は、こんなにも色鮮やかで美しい場所だったのですね」
一生に一度の奇跡です。
そう言って笑うアズライトは、日の光の下でキラキラと輝いていた。


******


「おお、影踏殿。一体どこへ行かれていたのでござるか?」
アズライトと別れた影踏が町に戻ったのは、既に日が沈んだ後。遅くなったと思いながら扉を開けると、随分と気合の入った様子の峰打が出迎えた。
「いやぁ、ちょいと野暮用で。……それより、峰打の旦那こそどうなさったんで?」
あまりの気合の入れ様に影踏が訊ねると、峰打は真剣な顔で言う。
「拙者、噂の吸血鬼退治に行こうと思うんでござるよ。仮に本当だとすれば、放っておくわけにはいかないでござるからな!」
「へぇ、吸血鬼退治に」
「そろそろ吸血鬼も動き出す時間でござろう?拙者も出掛けてくるでござる!」
「おっと、その必要はございませんぜ!」
まるで弾丸の様に飛び出した峰打の背中に向かって、影踏は自身の影を伸ばす。
影に捕らえられた峰打は、びしりと固まって身動きが取れなくなった。
「なっ!?何をするでござるか影踏殿!!?」
「ですから、吸血鬼退治の必要はございませんって」
固まる峰打に歩み寄ると、影踏は彼の腕を掴んでずるずると引っ張り戻す。
「必要ない、とは?どういうことでござるか?」
「どうもこうも、吸血鬼なんていやしねぇってことでさぁ。あの噂、どうやらデマだったらしい」
「デ、デマでござったか!?それは、良かったような、残念なような……」
「ま、今回のところは諦めてくだせぇ。ささ、今日はもう遅いですからねぇ、早く戻りましょうや」
「そ、そうでござるな。……ところで、そろそろ影を解いてほしいでござる」
「おっと、こりゃ失礼」
峰打を解放すると、彼は軽い足取りで来た道を戻っていく。
その姿を見て、影踏はほっと息を吐いた。峰打のことだ、これで今後吸血鬼退治に行くなどとは言い出すまい。
せめて今夜くらい、彼女の元へ招かれざる客が訪れないように。自分にできることは、あとはもうこれくらいだろう。
「あの森にいるのは、吸血鬼なんかじゃありやせん。あそこにいるのは」
日の光を浴びて嬉しそうに笑うアズライトを思い出し、影踏は小さく微笑んだ。
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橋谷あも

Author:橋谷あも
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誕生日:3月8日

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バシャーモ大好き。最近はトリミアンが熱い。

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擬人化設定→5/3

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