妄想で補いましょう

絵とかは無いんですが、これだけ置きに。

追記に文章押し込んであります。どみちゃん宅のアシュリーさん(ガバイト♀)お借りしましたー!さがアシュ!
最初に言ってたのと結構違う感じになっちゃったんですが、さがアシュは寒河江のナンパで始まったんだろうな……というのはぶれてません。そこだけは譲れませんでした。
保存転載等はどみちゃんのみご自由にどうぞ。書かせて頂きまして、有難う御座いました!

誤字脱字等きっとあると思うので、見付けたらこっそり教えて貰えると嬉しいです……


寒河江の旅は、常に気まぐれで目的地も無い。
面白そうなものがあれば立ち寄り、気に入らないものがあれば避けて通る。祭でもあろうものなら滞在期間を延長し、実家に戻るタイミングだって思い付きのようなものだ。
しかし、そんな融通の利く旅だからこそ、楽しい事も多いのである。


******


「いっやぁー、なかなか面白そうな町じゃんか。な、新田?」
「ええ。これが一人旅であれば最高でした」
「お前、本っ当に容赦ねぇな」
初めて訪れる地方の、初めて訪れる町。その入り口に一歩踏み出して、寒河江は満足そうな笑みを浮かべる。何、新田の暴言はもう慣れっこだ。
「この町って、観光地か何かなのか?」
「……そのようですね」
寒河江が訊ねると、新田はガイドブックを取り出しぱらぱらとページを捲る。
「この地方の中でも、割と栄えている方らしいです。どうします?ガイドでも雇いますか?」
「んー……あんまりがっつりプラン立てて歩くの、好きじゃないんだけど」
目に入ったものを気まぐれに楽しむのが、寒河江の観光スタイルだ。当然、ガイドやツアーといったものとは縁遠い。
わざわざ人を雇わずとも、主要な施設や文化はある程度ガイドブックで把握できてしまうのだ。この町も、何時もの様にぶらぶらと回ればいいだろう。
「うん、いいや。適当に歩こうぜ」
「面倒臭いですね……。そろそろ、寒河江様の気まぐれに付き合うのも疲れてきました。早く宿で休みたいです」
「お前、俺のこと嫌いだろ……?」
新田の言葉は従者にしては生意気だが、寒河江にとっての彼女は従者というよりも妹のような存在である。当然、あのような生意気な発言でも、可愛いわがまま程度にしか聞こえない。
苦笑いを浮かべながら、寒河江は新田に荷物を預けた。代わりにガイドブックを受けとり、指示を出す。
「じゃ、お前は適当に今日の宿探しておいてくれ。そうだな……夜の七時くらいでいいか?その時間になったら、ここで待ち合わせな。それまで、各自自由行動ってことで」
「それは構いませんが……寒河江様、私が護衛も兼ねていることをお忘れですか?」
「大丈夫だって!俺のこと知ってる奴なんていねぇんだから、よっぽどな事しなけりゃ絡まれたりしねぇよ」
腐っても名家の出身である。身元が判明すれば、それ相応の危険もあるが……幸いにも、ここは実家からは遠く離れた町だ。寒河江を知る者はいない。
「あんまり、面倒な事に首を突っ込まないでくださいよ」
「わーってるって!じゃ、また後でな」
ひらりと手を振り、寒河江は新田と逆方向に歩き出した。
さぁ、ここからは誰の監視も無い自由時間だ!


「さってっとー。ガイドは要らねぇけど、本当に一人ってのも味気無いよな」
基本的に、寒河江は賑やかな場が好きである。疲れているであろう新田に無理はさせたくないが、一人で歩くのはあまり面白くない。誰か、他に観光客でもいれば同行させて貰えるのだが。さて、如何しよう?
品定めでもするかのように、寒河江は道行く人々を観察する。
あの人は、おそらく地元民だろう。あれも地元民。あちらの人は、仕事だろうか?随分と急ぎ足だ。遠くに観光客らしき姿を捉えるが、残念なことにツアー客。ノープラン希望の寒河江には合わない。
「……こんだけ人がいるのに、これって逆に凄くね?」
なんだろう、先程から土地ではなく人ばかり見ている気がする。一体、自分は何の為にここにいるのだろうか……?
段々と諦めムードが漂ってきたその時。
「お、あの子……」
数十メートル先の露店の前に、一人の女性を発見した。遠目ではあるが、あの容姿からしてガバイトだろうか。
さっとガイドブックを開いて確認する。この町の近辺にガバイトはいない筈……ということは、おそらく地元民ではないだろう。女性は物珍しそうに露店を眺め、うろうろと落ち着かない様子である。これは間違いない、観光客だ!
そうと分かれば、あとは声を掛けるのみ!寒河江は足早に女性に近付くと、人懐っこい笑顔を浮かべて言った。
「ねぇ、そこのお嬢さん」
「……え?わたし、ですか?」
「うん、そう」
女性は驚いた様子だが、逃げる気配は無い。寒河江はにこりと頷くと、単刀直入に言った。
「お嬢さん、観光客だよね?俺もそうなんだけど、一人でさ。このまま男一人で歩き回るのも味気ないし、良かったら一緒に見て回らない?」
「ご一緒に……ですか?」
寒河江の言葉に、女性は困ったような顔を見せる。まぁ、知らない男にいきなり声を掛けられれば当然だろう。
「大丈夫だって、別に何かしようってつもりじゃないからさ!ただ、お嬢さんも見たところ一人みたいだし。もし迷惑でなければさ」
「え、えっと……」
戸惑いつつも、女性は決めかねているようだ。よし、もう一押し!
「な、頼むよ?今さ、お目付け役から解放されてやっと自由になったところなんだ。どうせだったら、この隙に楽しみたいじゃん?思い出作りってことで、ここはひとつ!」
両手を合わせ拝むような仕草を見せると、女性はまだ完全に信用したわけではなさそうだが小さく首を縦に振った。
「あの、わたし、そんなに長くはご一緒できませんけど。それでも良ければ」
「え、良いの!?大丈夫、ちょっとでも十分!」
「そうですか?それじゃあ、一緒に見て回りましょう?」
「やりぃ!ありがとな!……えっと、名前は?俺は寒河江ってんだ」
寒河江が名乗ると、女性は可愛らしい笑顔を浮かべて言った。
「わたし、アシュリーっていいます。今日一日よろしくお願いしますね、寒河江さん」


******


とりあえず、ガイドブックを開いて一番最初に目に入った店に行くことにして。
二人並んで歩きながら、世間話に花を咲かせる。
「寒河江さんって、どこから来たんですか?」
「俺?俺はふらふらしてるからなぁ……一応、実家はホウエンだけど。アシュリーは遠くから来たのか?」
「うーん、実は、言う程遠くから来ているわけでもないんです」
寒河江の問いに、アシュリーは少しだけばつが悪そうに言う。
「わたし、あまり自由に外を出歩かせて貰ったことが無くて。この町もそんなに遠くは無いんですけど、詳しくは知らないんです」
「そうなのか?」
「はい。今日は家族と一緒なんですけど、一人で観光したいって言ったら大騒ぎで!町から出ちゃダメ、大通りしか歩いちゃダメ、五時までには帰って来なさいって、ずーっと言われてたんです」
「へぇ!そりゃ大事にされてんだな」
もしかして、アシュリーはどこかの家のお嬢様なのだろうか?見たところ育ちも良さそうだし、それだったら多少過保護でも納得はいく。
「でもそっか、それじゃあ悪かったかな?折角色々見てたのに、俺に付き合わせちゃってさ」
邪魔をしてしまったかもしれない。そう思って寒河江が謝ると、アシュリーは慌てて首を横に振る。
「い、いえ!私も、あんまり予定とか考えてなかったので……多分、あのまま一人でいても、ろくに出歩けなかったんじゃないかしら?」
「そう?」
「はい。ちょっと吃驚しちゃいましたけど、寒河江さんとご一緒できて良かったです!……あ、あそこのお店!さっき本で見たお店ですよね?行ってみましょう!」
くい、と寒河江の袖を引いてアシュリーが笑う。なんと素直で可愛らしいことか!
「凄い、新田と全然違う……!」
軽く感動を覚えつつ、寒河江はアシュリーに従い店へと足を向けた。


「このお店、喫茶店かしら?お洒落ですね」
「この地方は喫茶店多いって聞いてたけど、本当なんだな」
二人の目の前には、可愛らしい佇まいの喫茶店。ここ以外にも、周囲には数件異なった雰囲気の喫茶店が見える。
「どうする、入ってみるか?」
「そうですね、折角来たんですし!」
うきうきとはしゃいだ様子で、アシュリーが店内に足を踏み入れる。
コーヒーと甘いお菓子の香りがふんわりと漂う店内は、寒河江一人だったらまず入らないであろう雰囲気だ。
「へぇ、こんな風になってんだな」
「寒河江さん、喫茶店には入らないんですか?」
「どちらかと言えば、喫茶店より居酒屋になるかなぁ。旅の連れで妹分が一緒に来てるんだけど、こういうのに興味無いし」
「そうなんですか?」
正直、新田に可愛い喫茶店など想像もつかない。
メニューから適当に注文を済ませ、寒河江は観察するように店内を見回す。アンティーク調の内装に、客層は若い女性客やカップル中心。頼んでいるものはケーキにパフェと、アシュリーがいなければ確実に素通りしていたな、と思う。
「寒河江さん、もし居心地が悪いのなら他のお店に……」
気遣う様にアシュリーが言うと、寒河江は楽しげに笑う。
「いや、いいって。こういう普段は行かない所に行くのも、旅の醍醐味ってやつだからさ」
そう。予定が決まっていないからこそ、このような予想外の場所に訪れることもあるのである。特に今回は、同行者が年頃の女性なのだ。きっと何処に行っても新鮮だろう。
「そうだ、アシュリー。今日の行先、全部お前が決めてくれよ?」
ふと浮かんだ内容に、寒河江は名案だとばかりに手を打った。
どうせ自分の旅はノープラン。もし他に行きたい場所があれば、この町での滞在期間を延ばせばいいだけだ。それならば、今日はアシュリーが行きたい場所に行けばいい。
寒河江の提案に、アシュリーは驚いた声を上げる。
「え!?でも、寒河江さんだって観光目的でしょう?どこか行きたい所とか……」
「俺はいいのいいの、行きたかったら明日でも何時でも行けるからさ。でも、アシュリーはそうはいかないだろ?」
「そ、そうですけど……」
「俺も、ここみたいに普段行かないような場所に行けるの楽しみだし。な、アシュリーが決めてくれよ」
ずい、と寒河江がガイドブックを差し出した。
アシュリーは少し迷った様子だったが、最終的には退く様子の無い寒河江に折れたようだ。おずおずとガイドブックを受け取る。
「あの、有難う御座います。寒河江さん」
「ん、いいっていいって。楽しみだなー、アシュリーがどこに連れてってくれるのか」
「は、はい!折角なら、いろんなところに行きたいなぁ……」
ガイドブックを開き、アシュリーはあれもこれもと行先を選び始める。そんな彼女を見詰めて、寒河江も楽しそうに笑顔を浮かべた。


******


「寒河江さん、次はあっちに行ってみましょう!」
アシュリーが先導する形で町中を練り歩き、有名な場所や店、名物を片っ端から観て回る。途中に面白そうなものがあればその都度足を止め、二人は観光を楽しんでいた。
「うふふ、楽しいです!わたし、一度でいいから生で見てみたかったんです」
「アシュリー、あっちはどうだ?あれとか好きそう!」
「あ、良いですね!行ってみましょう寒河江さん!」
無邪気に笑うアシュリーに、寒河江はこっそりと考える。
もしかしたら、自分とアシュリーはかなり気が合うんじゃないだろうか?一緒にいてとても楽しい。
可愛い妹分とはいえ不愛想な新田や、真面目な者ばかりの実家の面々。彼らと一緒では、こういった楽しみ方はできないだろう。
「いいなー、こういうの」
「え?何がですか?」
「え?」
アシュリーに疑問の眼差しを向けられ、寒河江は我に返った。もしかして、口に出していただろうか?
「寒河江さん、どうかしました?」
「あー……いや。えっと。なんかさ、こうやってアシュリーと歩くの楽しくてよ。今日一日だけってのが勿体無いなーって」
まぁ、別に隠す様な話でもあるまい。
寒河江が正直に思っていたことを言うと、アシュリーは少しだけ頬を紅く染める。
「……わ、わたしも、ちょっとだけ残念だなーって思ってます。寒河江さんとご一緒するの、楽しくて」
「え、本当?」
「嘘じゃないですよ!沢山いろんなものを見せてくれて、本当に嬉しいんですから!見てください、今日だけでこの町の名物はほとんど制覇してますし」
ずい、とアシュリーがガイドブックを差し出す。この町に来る直前に購入した本は、今日一日だけで随分とクタクタになっていた。
「わたし、あんまり遠出とかさせて貰えないんですけど……もしもまたどこかに出掛けることがあったら、次も寒河江さんと一緒がいいなぁって。今日はね、もうそろそろ時間だから無理そうですけど」
「~っ!」
やべぇ、アシュリー可愛い。なんだこれ。
思わず、寒河江はアシュリーの頭をわしわしと撫でる。
「え、え、!?寒河江さん?どうしたんですか!?」
「んー?いや、アシュリーが可愛くてつい」
「か、かわっ!?」
「よし、可愛いアシュリーには寒河江さんが何か買ってあげよう!ほら、土産物のひとつやふたつくらい買っとかないと」
真っ赤になったアシュリーの背中を押して、寒河江は浮き立った様子で近所の土産物屋へと入って行った。


「あら、素敵な置物」
「アシュリー、お前なかなかセンスいいな!?」
一目で気に入ったのか、アシュリーが店先の置物を手に取る。
新田がいれば「有料でゴミ回収しないでください」と言われそうな代物だが……寒河江とアシュリーにとっては、これ以上ないくらいの立派なものに見えるようだ。
「コレお幾らかしら?今日の記念に良さそうだわ」
「お、違う色もあるんだ。俺も買おうかなー、お揃い!」
寒河江も色の違うものを手に取ると、アシュリーの手からひょいと置物を取り上げた。そのままスタスタとレジへ向かう。
「さ、寒河江さん!?それくらい自分で……!」
「いいっていいって。今日一日付き合ってくれたお礼だから。それに、ちょっとくらい男に見栄張らせてくれよ?」
「は、はい……有難う御座います」
「ん。ちょっと待っててな」
レジ先で置物を綺麗に包んで貰い、その間に……領収書か何かだろうか?寒河江は紙に何か書くと、置物と一緒に袋に入れた。
会計が済むと、寒河江は大急ぎでアシュリーのところへ戻ってくる。
「お待たせ、アシュリー。はい」
「わぁ、有難う御座います!」
寒河江から置物を受け取り、アシュリーは嬉しそうだ。
「さ、そろそろ時間だろ?送ってくよ」
「はい……ちょっと寂しいですけど。行きましょ、寒河江さん」
今から帰れば、丁度アシュリーの門限である五時になるだろう。名残惜しいが仕方ない。
二人並んで土産物屋を出ると、できる限りゆっくりとした足取りで歩き出した。


******


「寒河江さん、もうここまで来れば大丈夫です」
「ん、そう?」
「はい。今日は本当に有難う御座いました」
アシュリーの泊まっている宿の前で、二人は別れの挨拶を交わす。
「寒河江さんは、この後はどうするんですか?」
「そうだなー……妹分との待ち合わせ時間まで結構あるし、もう少し適当にぶらつこうかなって」
「そうですか……」
まだ一緒にいたい。
アシュリーの顔にはありありとそう書かれているが、諦めなければいけないだろう。思わず声が沈む彼女に、寒河江は明るく言った。
「そんな顔すんなよ。次の機会には、もっとゆっくり遊ぼうぜ?」
「はい……」
「よし。約束な!そんじゃ、また!」
これ以上一緒にいても、名残惜しくなるだけだ。寒河江はアシュリーに別れを告げると、振り返ることなく駆けていく。
「あ、寒河江さ……!」
アシュリーは慌てて声を掛けるが、みるみるうちに小さくなっていく寒河江の背中には届かなかった。
「……また、なんてあるのかしら?」
何時、どこで会えるのかも分からないのに。
落ち込んだ様子で、アシュリーは手に持っていた土産の袋を開く。せめて今日の思い出を、しっかりと焼き付けておきたい。
「折角、お揃いの置物まで買ったのに……あら?」
すい、とアシュリーは袋の中に手を差し入れた。袋には、置物と一緒に折り畳まれた紙が入っていたのだ。
「これ、もしかして寒河江さんの!?間違えて持ってきちゃったのかしら」
そういえば、会計時に寒河江は領収書らしきものを書いていた。もしコレがそうだとしたら、今頃困っているかもしれない。
「どうしましょう、今から追い掛けて間にあ……」
ぺら、と紙を広げてアシュリーは言葉を失った。
その紙は領収書などではなく、普通のメモ書きだった。小さな紙には、短いながらもメッセージが書きこまれている。


アシュリーへ

今日は楽しかった、有難う。
もしまた出掛けることがあったら、俺のことも呼んでくれよ!何時でも行くから。

寒河江


「寒河江さん……」
メッセージの下には、連絡先も書かれていた。これは、何時でも連絡していいという意味だろうか?
「……絶対、近いうちにまたお出掛けしますから。その時は、もっとゆっくりお話しましょうね」
メモと置物をぎゅっと胸に抱えると、アシュリーは元気よく宿へと戻っていった。
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橋谷あも

Author:橋谷あも
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