お久し振りすぎます

蒼明 暗紅
蒼明(ゼルネアス)、暗紅(イベルタル)
お揃いで描いたつもりだったけど、微妙にサイズ違ったでござるの巻。

こっちの更新お久し振りですー!ログ庫にすらなっていなかった!
設定ページの方はちょくちょく更新してるので、新しい子はあちらかtwitterでご確認ください…最近段々と自宅の平均年齢が上がってきました。
おっさんもいいけど、おばさんも描けるようになりたいです。じじばばも描けるようになりたいです。


さて追記に文章。
カズキさん宅のハデスさんをお借りしています。ハデエル!
前から書いてたんですけど、やっと纏まった…!お待たせしました(ノД`)・゜・。


夜空を切り裂くように進む光の線を見上げ、エルピスは姉の手を引いた。
「お姉ちゃん、あれなぁに?」
「あれはね、冥界列車の光よ」
「めいかいれっしゃ?」
「そう」
首を傾げる妹に微笑みを浮かべ、パンドラは夜空を指差して言う。
「あの光はね、亡くなった人をお迎えする列車のものなの。あの列車に乗ると、あの世に連れて行かれるのよ」
「そうなの!?やだよぉ……怖いよぉ、お姉ちゃん」
小さく身を震わせるエルピスに、パンドラは言い聞かせるように優しく言葉を紡ぐ。
「エルピス。冥界列車はね、決して怖いものではないのよ?亡くなった人が静かに休める様に、あるべき場所に連れて行ってくれるの。お姉ちゃんも話に聞いただけだけど、冥界列車の車掌さんはとても優しい人なんですって」
「……本当?」
「ええ。もし会えたら、ゆっくりお話してみるといいわ」
柔らかな微笑みを浮かべる姉に、エルピスは喉まで出かかった言葉をぐっと飲み込む。
私は、そんな人は怖くて怖くて仕方がない。


「車内揺れまーす!窓から落ちたら一生浮遊霊ですよ……!?」
乗客ひしめく車内に呼びかけ、ハデスは冥界列車の汽笛を鳴らした。闇夜に光る列車は汽笛の音と共に徐々に高度を下げ、森の木々を撫でるように進んでいく。
今夜向かうのは、田舎にある小さな村だ。その村は歴史が長く、古くからの風習や信仰が今でも根強く残っているらしい。森の向こうにうっすらと覗く村は、都会の突き刺さるような夜景とは違い小さく柔らかな明かりが灯っている。
ハデスは今回迎える魂の家の前に列車を停止させると、乗車口を開いた。目の前を村人が行き交うが、誰一人として列車の存在には気付いてない。
「こちらで少々停車致します。お客様は御乗車になられたままお待ちください」
ハデスはそう車内に呼び掛けて列車を降りると、故人を見送るために集まった人々に紛れ、家の中に入った。
人が多いせいか、職業柄目立ちにくいだけなのか。部外者のハデスを気に留める者は誰もいない。まんまと中に入り込み室内を見渡すと、参列者達から少し離れたところに虚ろな表情の男が立っていた。この男が今回回収する魂だ。……自分の葬儀を見るというのは、はたしてどのような気持ちなのだろう?
「お客様、もうすぐ出発ですよ」
ハデスが声を掛けると、男ははっとしたように顔を上げた。慌ててポケットの中を漁り、一枚の切符を取り出す。
「切符を拝見致します。……はい、確かに。さぁ。どうぞご乗車ください」
パチンッと小気味のいい音を立てて切符を切り、ハデスは男の背を押す様に乗車を促す。男が家を出て列車に乗ったことを確認し、ハデスもあとに続こうとしたが、ふと村人の声が耳に入った。
「あんなに若いのに……」
「やっぱり、魔女の呪いじゃないの?」
ひそひそと小声での会話だが、悪意と嫌悪に満ちた声は静かな葬儀の場では否応なしに目立つ。
「魔女の呪い……?」
男の死因は病によるものだが、不審な点は何もない。本人の不摂生と運の悪さによるものだ。むしろ、どの様な薬を使っていたのだろう?これでも長生きしているくらいである。
少しだけ興味を持って足を止めると、村人達の声は次第に広がっていく。あまりの雰囲気の悪さにハデスが眉をしかめた頃。
「……最低」
ハデスの傍らで、ぽそりと小さな声がした。
見れば、ひとりの少女が村人達を睨み付けている。故人に宛てたものだろう花束を抱えているが、その手は憎らしそうに花束を握り締めていた。
少女はわざと大きな足音を立て、棺へと歩を進める。彼女に気付いた村人達は慌てて口を閉じるが、まさかこの少女が村人達の言う『魔女』なのだろうか?
「これ、お姉ちゃんから」
怒りで震える声を必死に抑え、少女は花束を捧げる。
「自分は行けないからって、私が代理で。薬、効かなくてごめんなさいって言ってました。……そんなことないのに」
最後の一言は誰にも聞こえないように呟いていたが、間違いなく彼女の本音だろう。ハデスには詳しいことは分からないが、どうやら故人は生前、彼女の姉が作った薬を服用していたらしい。
「見て、あの子」
「魔女の妹」
「あの姉妹のせいで」
一度は止んだ声が、再び沸き起こる。少女は一度だけ手を合わせると、参列者達には目もくれず足早に出口へと向かった。そこでいったん立ち止まり、吐き捨てるように言う。
「貴方達の方が、よっぽど化物みたい」
その言葉に、今まで抑えられていた声がざわざわと勢いを増した。
「汚らわしい!」
「呪われた血め!」
近くにいた男が少女に歩み寄り、拳を振り上げる。……これはいけない!
ハデスは反射的に少女の腕を掴むと、駆け足で列車に飛び乗った。少女を車内に引きずり込み、扉を閉める。こうすれば、もう村人達には少女の姿は見えない。
「ふぅ……。大丈夫かい?怪我は?」
「え……え、あれ?」
突然の出来事に戸惑う少女に、ハデスは苦笑する。まぁ、当然と言えば当然の反応だ。
ハデスはざわつく車内に一礼し、声を張り上げる。
「お客様同士のトラブルの影響により、出発が遅れております。ご迷惑をおかけ致しまして申し訳御座いません」
「お、お客…?」
少女はゆっくりと車内を見渡し……ようやく、自分が今列車に乗っていると理解したらしい。どこか異質な雰囲気を纏う乗客達に眉を顰め、その中に先程葬儀を行っていた筈の男がいることに気付くと大きな声を上げた。
「なっ……!?なんで貴方がいるの!?貴方、さっき亡くなって」
「当然だよ。これは冥界列車だからね」
混乱する少女にハデスが言うと、少女は身を固くしてハデスを見上げた。その瞳には、恐怖と警戒の色が浮かんでいる。
「自己紹介がまだだったね。私はハデスと申します。冥界行き列車の車掌をしております」
ハデスは優雅に礼をすると、少女の緊張を解き解す様に柔らかな笑みを浮かべる。悪意の無いその表情に、少女は躊躇うように言う。
「あの……冥界列車って」
「簡単に言えば、お客様……亡くなった人をあの世へ連れて行く為の列車だよ。今日は先程の葬儀にお客様のお出迎えに行っていたんだ」
「わ、私はまだ死んでないわよ!」
「そうだね。君、切符は持ってないだろう?」
「切符……?」
言われ、少女は自分の全身をくまなく確認する。切符など、どこにも持っていない。
「切符……は、無いわ」
「なら、君はこの列車の『お客様』ではないよ。本当は無賃乗車は厳禁だけど……今回は事情が事情だからね。特別に許可します」
「許可って……」
少女は血の気の退いた顔でハデスを見上げた。
「ね、ねぇ。この列車は冥界に行くんでしょ?許可ってことは、やっぱり私を連れていくってこと?」
死への恐怖だろう。少女はカタカタと震え、細い声で泣き出した。
「そんなの、やだぁ……!帰して、助けてお姉ちゃん……!」
「待って待って、落ち着いて!」
ハデスは泣き出した少女を空いている座席に座らせると、目線を合わせるように正面にしゃがみ込んだ。
「大丈夫、君には途中下車して貰います。ちゃんと家まで送ってあげるから」
「ひっく……ほんと?」
「本当だよ。さっき危ない目に遭いかけたんだ、普通に帰ったら危険だからね。今日はもう終電だから、一駅くらい増えたって大丈夫。だから、いいね?」
「……うん」
少女はこくりと頷くと、座席に座り直した。ハデスの言葉を信じてくれたらしい。
「さて、と。大変長らくお待たせ致しました。冥界生き列車、発車致します!途中停車駅は……えっと。君の名前を教えて貰っても?」
「え…っと、エルピス」
「有難う。途中停車駅は、エルピスの家になります」
ハデスは深く礼をすると、運転席への扉を開いた。汽笛を鳴らし、列車はゆっくりと夜空へ舞い上がる。
エルピスは窓から外を眺め、眼下に広がる景色に声を上げた。
「凄い、村があんなに小さい!」
「エルピス、あまり乗り出すと危ないよ」
先程の泣き顔とは打って変わって無邪気に笑うエルピスに、ハデスの頬も緩む。そういえば、こんな風に車窓の景色に喜ぶ乗客は今までいなかった気がする。
運転席から声を掛けるハデスに、エルピスは小さく「ごめんなさい」と謝ると、少しだけ遠い目をして言う。
「そういえば……昔、お姉ちゃんと二人で星を見ていた時に冥界列車を見た気がします」
「おや。本当かい?普通の人にはそうそう見えない筈なんだけどね」
「お姉ちゃん、昔からよく『見えた』から」
そっと車内に視線をやり、エルピスが呟く。車内を埋める乗客は、彼女以外全員が死者だ。
「お姉ちゃん、村の人達に魔女だ魔女だって言われてるけど、全然そんなのじゃないのよ?賢くて優しくて、自慢のお姉ちゃんなんだから」
「そうか。エルピスはお姉さんが大好きなんだね」
「ええ!……あ、そうだ。ハデスさん」
小さく手を叩き、エルピスは言う。
「行き先、私の家じゃなくてお姉ちゃんの家でもいい?お姉ちゃんとは別々に暮らしてるんだけど……なんだか会いたくなっちゃった。さっきのお葬式の報告もしたいし」
「構わないよ。まだ進路変更には間に合うからね」
「良かった。有難う、ハデスさん。冥界列車の車掌さんって、意外と優しいのね」
「意外と、は余計ですよ」
ハデスは小さく笑うと、ゆっくりと列車の進路を変更した。村の上空で大きく旋回し、方向を確認する。
「お姉さんの家は何処かな?」
「この森の向こう……開けた場所に小さな家があるの。そこがお姉ちゃんの家」
「了解。走行中は立ち上がらないでくださいね、快速運転でいきますよ!」
もう一度大きく汽笛を鳴らし、冥界列車はまるで流れ星の様に森の向こうへと飛んで行った。


歩けば時間のかかる森も、上空を飛べば一瞬だ。森の木々はすぐに途切れ、エルピスの言っていた小さな家が見えてくる。
「あの家かな?」
「そうそう、あれ……あ、お姉ちゃん!」
エルピスが窓の外を指差す。家の明かりは夜の暗闇の中で小さな星の様に光っており、その光に照らされて一人の女性の姿が見えた。
「もしかして、お出迎えに出てきてくれたのかな?」
「みたいだね。さ、停車するから降りる準備をしてください」
「はーい」
エルピスが頷くと、ハデスは徐々に列車の速度を落としていく。ゆっくりと螺旋を描くように高度を落とし、やがてエルピスの姉の前に停車した。
「お姉さんの家ー。お姉さんの家ー。お客様、ご利用有難う御座いました」
ハデスが列車の扉を開けると、エルピスは勢いよく飛び出した。家の前に立つ姉に向かって、両手を伸ばして飛びつく。
「お姉ちゃんっ!」
「お帰りなさい、エルピス。汽笛が聞こえたから、もしかしてと思って」
姉はエルピスを優しく抱き締めると、小さくハデスに頭を下げた。
「車掌さん、妹がお世話になりました」
「いえ。こちらこそ、大切な妹さんを勝手に乗せてしまって……御心配をおかけしました」
「心配だなんて、そんな」
姉はそっとエルピスの頬を両手で包むと、柔らかな笑みを浮かべる。
「エルピス。貴女ったら、随分と列車の旅が楽しかったのね?あまり車掌さんに無理を言っちゃ駄目よ」
「えへへ……ごめんね、お姉ちゃん」
「ん、おや……」
まるで車内での会話を知っているかのような物言いに、ハデスが小さく首をかしげる。それに気付いたエルピスが、簡単に説明をしてくれた。
「お姉ちゃん、テレパシーが使えるの。大体のことは分かっちゃうんだから」
「そうなのかい。凄いね」
「そうでしょ!お姉ちゃんは凄いんだから!
「ふふ。エルピスったら」
にこにこと笑うエルピスに苦笑を浮かべると、姉はハデスに向き直った。
「……あの、車掌さん?列車のお客様の中に、今日のお葬式の……」
「……ああ、はい。いらっしゃいますよ」
「お姉ちゃん?」
真剣な姉の声に、エルピスが首をかしげる。そんな彼女に微笑むと、ハデスは車内から一人の男を連れて来た。この男は、先程回収した魂だ。
姉は一歩列車に近付くと、男の魂に静かに礼をする。
「……次に出逢う時までに、もっといい薬を作れるようになりますから。……どうぞ、安らかに」
その言葉に答える様に、男は深く頭を下げた。そういえば、立場上葬儀に参加できずにいたが、この男はエルピスの姉の薬を服用していたのだ。お互いに思う所があったのだろう。
「……これでもう、思い残すことはありませんね。さ、出発しますよ」
ハデスが車内に戻るよう男を促す。
「車掌さん。有難う御座いました」
「いえ。……そうだ、エルピス」
「はっ、はい!?」
突然名を呼ばれ、エルピスが姿勢を正した。その様子に小さく笑みを浮かべ、ハデスはそっと彼女の手を取った。
「ハ、ハデスさん?」
「切符はありませんが、本日の乗車記念ということで」
ハデスは懐からスタンプを取り出すと、エルピスの手のひらに優しく押し付けた。不思議なきらめきを持つインクは、まるで手の上に星をこぼしたかのようだ。
「わぁ……!ハデスさん、有難う!」
「またお会いしましょう、エルピス。その時はちゃんと切符をご用意致しますよ。勿論、冥界行きじゃないものをね」
「ふふ、楽しみにしてます!」
無邪気に笑うエルピスに手を振り、ハデスは列車の扉を閉めた。
「冥界列車、発車致します!今一歩、お下がりくださーい!」
エルピス達が離れたことを確認すると、列車はゆっくりと動き出す。
「またね、ハデスさん!」
「お客様方も、また、いつか……!」
「またのご利用をお待ちしておりまーす!」
手を振って見送る姉妹に汽笛で答え、冥界列車は夜空へと消えて行った。


「……ねぇ、お姉ちゃん」
「なぁに?」
列車を見送り、エルピスは姉に言う。
「昔、お姉ちゃんが言ってたでしょ?冥界列車の車掌さんは優しいって」
「ええ。でも、貴女はずっと怖がってたわね」
クスクスと笑う姉に、エルピスは少しだけ頬を染めて言い返す。
「で、でも、もう怖くないよ!本当に優しかったもの!」
「ふふ、そう。……また会えるといいわね」
「……うん」
夜空を見上げ、エルピスはそっと耳を澄ます。
きっと明日も、どこかの空の下であの汽笛が鳴り響くのだろう。
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橋谷あも

Author:橋谷あも
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